音楽家・坂本龍一は1995年、インターネットこそアレやんけ!と誰よりも早く気づき、自らの活動を積極的にネットで展開してきた。この番組はそのような活動に当時直接関わったメンバーが、その時、その現場で経験したことを可能な限り詳細に話して記録しておくことで、坂本龍一がインターネットにもたらした文化現象とは何だったのかを、聴取者の頭の中にイメージとしてレンダリングされることを目的としている。
まずは耳からはじめよ。 #HAJIMEY0
発起人は、1995年からの黎明期を疾走したエンジニア・竹中直純、2010年前後のソーシャルメディア期を伴走したプロデューサー・平野友康、そしてエクソシスト見習い・中村祥一。
きっかけは平野と竹中で雑談していた時に坂本龍一が切り拓いたネットライブを中心とする活動がまとまった形で解るサイトも書籍も何もない!ということに気がついて、我々がボケる前に話せるだけ話してしまおう!という話になり、中村祥一がRADIO SAKAMOTOに関わっている期間を足し合わせるとほぼ全期間をカバーできるということも発覚し、この三人なら!ということで収録まで漕ぎ着けました。全ての音源は中村祥一が編集しています。この番組の内容の全ての責任は我々3人にあります。
(シーズン1 全7回 毎週火曜更新)
(シーズン2 全4〜5回 不定期更新 2024/01/17開始)
シーズン1です。真面目に話しています。
シリーズ全体構成→1995年はどんな年だったか→インターネットが生まれた頃→坂本龍一との出会い→双方向発信技術と文化の関係→坂本龍一プログラマ説→当時のインターネットは今のWeb3と似ている?→シェア主義、効率主義→誰でもノマドになれる電子メールは凄い→Internet World Expo 96との運命→身体を伴った演奏を超えられる可能性→D&Lでのネットライヴ→これは昔話ではない→ネット上のコミュニケーションの萌芽→ネット技術以外から初期ネットへ関わる感覚→技術革新と閾値→エンジニア万能感から海賊という表現へ
予告: インターネットに文化を最初に持ち込んだ坂本龍一を1995年から振り返るポッドキャストシリーズ、開始。当時、ほぼ技術者の発想しかなかったところに人類の可能性を感じた教授は「なんかしたい!」と斬新な仕組みを竹中らと共に考案し、自らのライブツアーに持ち込み、その可能性に皆でワクワクする実験と冒険の日々が始まった…
前回の振り返り→教授がやりたいことを実現していった→ISOCに出た論文がある→MaiLEDという挑戦→初期ユーザーはいい子→みんな好きにやれば?→これは思い出話ではない→教授から湧き出てくるアイディア→Remote Claps(ネット越しに拍手して会場で可視化する)をetoさんが思いついた→興奮して連打してfキーがもげる→第1世代はfffff、第2世代は88888→どれも締め切りがキツい→原田大三郎さん、リモートピアノ、衛星インターネット、全員が参加→全力で全部やってみる→きわめて真面目な教授→自分の活動の付加価値としてではなく自分ごとになってた→委託されたネット業者が出てきた→「ネット業界」の誕生(先進的な実験からビジネスを起こして儲けようへ)→ネットがなかったらこのコンサートやらなかったぜレベル→徹底した文化醸成への参加意識→おもろいものみせますよ!
予告: 坂本龍一の当時の活動は常に「全員参加者」が前提になっている。コンサートの「演出」としてインターネットを活用するのではなく「みんなの場」を提供するという姿勢も徹底している。演出として成立するかどうか分からなくても「やってみればいいじゃん」という度胸のもと、Remote Claps(リモート拍手機能)やRemote Pianoなどが導入されていく…
Tシャツとビジネス→リスペクトだけではない溝→ネットの空気化→1999年LIFEでの試み→MAA活動の狙い→人類活動への参加貢献→生産の喜びと初期インターネット
予告: 1990年代の終わりにインターネットに「ネットの業者」が誕生する。竹中はそれが放送を始めとする各業界とインターネットの融合と文化の発展を邪魔したと感じていた。なぜならインターネットは空気のようになるべきで、ネットのエンジニアは各界へリスペストを持ってそれぞれの流儀を学び、それぞれのあらゆる分野に溶け込んで成熟していくべきだったと考えていた…
関わる人は皆参加者であることを求められた→インターネットを利用するのではなく、インターネットがカンバス→那須での再会→2009年前後のUStreamやSNSの状況→北米ツアーでのsamfとの冒険→「どこまで坂本龍一に失礼なことをできるか」の意義→調律師からホールマネージャーまで全員参加→Public Viewingが拡がり、ピアノを一生懸命弾く→JRCによる権利クリア方法の変化
予告: 白いカンバスを見たら表現せずにはいられない。それと同じようにインターネットに文化を持ち込んだ坂本龍一の活動は、強烈な当事者意識と全員参加の意識があった。第二期は平野友康が伴奏した「だれでもマスメディア化」の時代について。平野はある夜、那須の夜の森の中で坂本龍一と再会する…
ライヴの権利の設計と観客の感覚の変化→おひねりライヴの先進性→演者と観客の関係性を破壊→アウラ騒動(2011)から東北大震災→深化、具体、直接に向かう→技術革新ではないブレイクスルーとは→変わるべきは我々では→脳の一部容量さえSNSのおかげで変わっているかも
予告: 2010年、平野は古川享と #skmts (サカモト・ソーシャル・プロジェクト)ライブ配信を企画し参加する。今振り返ると当時の可能性として、当時できたはずの権利処理について竹中が指摘する。溢れんばかりのアイディアが坂本龍一から発信される日々の中、311でその活動は大きく変わっていく…
インターネットは知恵の結晶→人類はバカになった?→効率化と車輪の再発明→我々は情報化社会の「練習」ができていない→プリミティブな喜びを得られる仕掛けを考えたい→大企業に「使わされている」わたしたち→個人レベルで面白いことを始めればいいんじゃん?→音の環世界→1分無駄なUXだと全人類で70億分の無駄→ハイレゾPodcast→まずは音をやろう
予告: インターネットは人類全体が賢くなるためのツールであって欲しいと願う竹中。黎明期から参加していた彼は、自分たちの能力が結晶としてネットの海に大きく広がっていくのを感じていた。ところがこの10年で一気に「人類をダメにするもの」に変わってしまったように思える。だがそれで良いはずはなく、竹中、中村、平野はその先のメタ視点を持つ方法を模索し始める…
エンジニアを育てる必要性→お祭りを起こしてほしい→それぞれの思考を切り替えることが最大の祭りになる→お互いに自立した個人であろうとする姿勢→マスクをしないと不安→周辺から変えて行こう病→祭りが仕事になるといい→いつも祭りは音から始まっていた→まずは耳からはじめよ
予告: 過去30年近く、数年に一度の「祭り」が坂本龍一からもたらされてきた。何かを突破するムーブメントは音楽からはじまっていたのだ。これまでの対象は「未踏の領域」だったが、今は自分たちが生み出した「関係」そのものが脅威になっている。私たちはインターネット空間に住み始めてわずか二十数年、多少のディストピアは乗り越えて、次世代のエンジニアへバトンを渡す方法を模索するシーズン1の最終回
シーズン2です。とても真面目に話しています。
月→シーズン1収録に至る経緯→坂本龍一トリビュート展@ICC→当日、平野は→高谷さん、真鍋さんとの表現→究極形→ユザーンと→展示内にある年表→素材としての坂本龍一→残っているデータ→未来への責任なのかも
予告: シーズン2、始めました。
お便りが→1980年代 (Sony, Global Village)→1990年代初頭 (伊藤穰一とWeb黎明期)→1995年の修正→StreamWorksの名前が出てこない!→坂本龍一は世界最初のデジタルノマドだった
予告: シーズン1について坂本龍一さんからのお便りが届きました
急に初ゲスト斉藤賢爾(サイケ)の登場→ICCキュレーターによるICC事情説明→2000年以降の地域通貨ブームからの繋がり→2009年以降の暗号通貨へ→「坂本龍一と人類」観→「万物の黎明」と10万年の流れ→芸術表現と(自分の脳の外に出るための)インタラクション→津波のピアノ→コラボの難しさ∴ひとりでやると開かれる→作品責任と民主主義→残されたものは技術課題と負の感情の連鎖だった→支配ツールとしての貨幣→THE INTERNETの意思決定は民主主義ではない→共有される有益さとGNU基盤とネットの基盤思想の違い→人の繋がりがネットに載ったこと自体は素晴らしい→社会が変わらない状態でテクノロジーが合わせるより、社会そのものが変わる必要→ネイティヴアメリカンのサポーティヴ社会
予告: 斉藤賢爾さんを迎え、表現とインタラクション、そこでのコラボの難しさ、意思決定と民主主義に至る幅広い話題が展開します。
日本の教育の俯瞰→社会を変えるじゃなくて自分が変わる→それぞれが良くなる→個人には希望、全体には絶望→苦言を呈する=愛がある→作品を可能な限り長く保存するには→国家と使役と貨幣→糸島での餅つきで生まれたもの→移動の自由が重要→まだらな社会とエンディング→国家とかどうでもよくない?→のどかが人を殺す→坂本さんに言い返しておきたかった→エンディング
予告: 斉藤賢爾さんとの対話が社会全体を題材とし、広く深くなっていきます
シーズン3です。生成AIの時代の到来を真面目に考えて野心的な試みを行っています。Perplexity Podcastと同じエンジンを使い、声を生成しています。三人は実際には喋っていません。また内容もSeason2の内容を基にAIに鼎談形式で生成させています。まずは短めからはじめよ。
第3シーズンのエピソード1.0では平野友康、中村祥一、竹中直純が生成AIとクリエイティビティについて日本語で話し合いました
予告: 日本語です。
In Episode 1.1 of Season 3, Tomoyasu Hirano, Shoichi Nakamura, and Naozumi Takenaka discuss the topic of generative AI and creativity in the world of Ryuichi Sakamoto in English.
予告: Version English
第三区第壱点贰话中,平野友康、中村祥一和竹中直純用中文讨论了在坂本龙一的世界中生成AI和创造力的主题。
予告: 中文版
© 2023 Photo by Shouichi Nakamura